遺言信託〜遺言書に基づいて、相続全般の処理を代行してくれる〜いざ、相続となると法律や税金、あるいは相続の分配などで、何かとトラブルや手続き上でスムーズにいかないことが起こってきます。 しかし、遺言信託においては信託銀行が、遺言執行者となるため、個人に遺言執行を依頼するのに比べ、安心かつトラブルなく相続が実行できます。 ただし、遺言信託で行なっている業務は、遺産に関することに限られ、相続の廃除や相続権にからむ子供の認知などについては、除外されるのが一般的です。 その他、相続人の遺留分を侵害する遺言の場合も、トラブル発生の可能性が高いため、遺言信託を利用できないことがあります。 現在、信託銀行が行なっている遺言信託の業務は、以下のようになっています。 1.相続全般の相談遺産をどのように処理したいのかや、遺言書を作成するにあたっての事前相談を行なっています。また、相続した遺産の運用、法律への対処などについても、税理士や弁護士のアドバイスも受けることができます。2.遺言書の作成と保管遺産の内訳や遺言の内容を確認して、法的に拘束力のある”公正証書遺言書”を作成します。ほとんどの場合、これ以外の自筆証書遺言書や秘密証書遺言書は認められていません。遺言書の保管については、原本は公証役場にあり、正本は信託銀行で保管されることになります。そして、信託銀行より正本の保管明細書を、手渡されるのが一般的です。 3.遺産、相続についての定期的な照会相続人や遺産の状況、遺言の内容の変更がないか、定期的に信託銀行から照会があります。もし、変更があれば、それに応じた手続きにも対応してくれます。定期的に照会があることにより、変更、手続き漏れを防ぐことができます。 4.遺言の執行と手続き実際に相続が発生すると、信託銀行が遺言執行者となり相続が実行されます。このとき、必要な財産目録の作成や遺産の管理、名義変更、遺産の分配、相続税の納付など必要な手続きが行なわれます。遺言信託を依頼したときの手数料は、各信託銀行により違いがありますが、目安として以下にあげておきます。 ・契約時の手数料 約5〜10万円 ・遺言書の保管料 年間約7,000円〜1万円 ・遺言書の内容変更手数料 約5万円 ・遺言執行の報酬 最低報酬が約100万円で、相続財産の0.5%〜2%程度 (相続財産の額によって変わってきます。) ・その他に、公正証書遺言書作成費用、不動産登記簿謄本・戸籍謄本などの請 求費用が発生します。 このように、決してリーズナブルな手数料とはいえませんが、相続全般のトラブル回避や、相談先として考えた場合には、遺言信託は十分な利用価値があるといえます。 ・次ページ →死亡届 |
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