相続税と贈与税の区別
〜意外とわかりにくい相続税と贈与税の区別〜
相続税と贈与税の違いをはっきりさせるのは、簡単なようで実は以外と厄介なものです。
基本的に相続税は、相続が発生したときに遺産を、受け継いだ人に課されるものです。一方贈与税は、贈与者(=贈与する人)が生きているときに、受贈者(=贈与を受ける人)に財産を無償であげることを、お互いが了解した上で成り立つものです。
相続税と贈与税では、課税金額がかなり違ってきます。特に贈与税は、相続税逃れがないように考えられた税法なので、税率が高くなっていますので注意すべきです。
相続税と贈与税の区別は、以下のようになっています。
<相続税と贈与税の区別>
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内容 |
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課税区分 |
相 続 |
親などの被相続人が亡くなると、その子供や配偶者などの法定相続人が残された遺産を引き継ぎます。一番一般的なケースで、相続税が課税されます。
その他に、”みなし相続財産”と呼ばれるものが課税対象となります。 |
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相続税 |
死因贈与 |
例えば、被相続人が親しい友人に「自分が死んだら、別荘をあげよう」というケースで、友人もこれに同意した場合は、”死因贈与”と呼びます。
別荘を無償で他人に贈与するので、贈与税だと思われがちですが、このように人の死亡を条件とした贈与は、相続税が課税されます。
もちろん、友人が相続税を納付することになります。 |
遺 贈 |
被相続人の遺言で財産を贈与することで、死因贈与と異なり相手方の同意を得ることなく、行なうことができるのが”遺贈”です。
このケースも被相続人が死亡して、遺言書を開封した時点で贈与がわかるため、相続税が課税されます。 |
生前贈与 |
被相続人が生前に、配偶者や子供、あるいは他人に財産を無償であげるケースを”生前贈与”といいます。
生前に何の条件もなく、贈与が行なわれるため、このときは贈与税が課税されることになります。
ただし、相続開始前3年以内に被相続人から受け取った財産には、相続税が課税されます。
その他に、”みなし贈与財産”と呼ばれるものも課税対象となります。 |
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贈与税 |
このように、生前贈与とみなし贈与以外は、ほとんどの場合相続税として扱われます。ただし、相続税や贈与税の対象とならない財産も定められていますので、これらは課税されません。
参考までに、法人から個人に贈与があった場合は所得税が課税され、個人から法人に贈与があった場合は、法人税が課税されることになります。
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